ご香料帳の保存データ

昔は、ご香料として供えられた米や現金が葬式を支え、喪家に蓄えがなくとも葬式を出すことができたのでした。供えられたご香料は、相手の不幸の際に同様に返すことが期待されました。そのため代々ご香料帳は保存され、後の参考にされたもんです。
ご香料に対するお礼は相手へのご香料によってされたため、ご香料返しは行われていませんでした。ところが、時代とともに簡略化され、また相手の葬式の際に相応のご香料を出すことが難しい場合や、ご香料をもらったままになり借りを作ってしまうということもありました。そこで将来へ借りを残さないよう対応がなされたものがご香料返しだと考えられます。ただし全額分を返しては好意を無にするということから、半返しという方法が一般的になったのでしょう。